先日新聞に”太宰の好物は筋子だった”という記事を見つけました。
そうあの”学校で習う走れメロスの太宰です。
太宰が生まれたのは1900年の初めのころ。
確か37-8歳でなくなっているので、1900年初頭のころ筋子食べたことになります。
その頃だと、ちょうど北洋漁業が最中盛んになってきたころ。
太宰は津軽でも有数の大地主(こちらで言う”おおやげ”)
おそらく一番良い筋子を食べたと思われます。
そうするとやはり北洋漁場でとれた、鮭、マスの筋子。
筋子自体も小ぶりで、小粒のもの。こっちの人が良く言うマスの筋子だと推察されます。
残念ながら私が生まれる前の事なので現物は見てませんが、戦後日ソ漁業交渉が新たに結ばれ、母船操業が復活したころの”筋子”だと記憶にあります。
おそらく同じものでしょう。5kgの木箱に入ってました。
残念ながら200カイリ規制から北洋母船操業は2000年を待たず終了。現在は製造されていません。
しかし、北洋漁業で培った日本の筋子つくりの技術は職人の技術として今でも伝承されています。
小説人間失格の元になったとされる”HUMAN LOST"の中に
という一文が有ります。
ここまで来たなら、では作って見ようということで。
太宰は歯が悪かったことから、納豆は丸でなく“ひき割り”
筋子は、もちろん当店の小粒甘口すじこ。後は何もなし。
筋子の塩分が味つけになります。(私はもっと塩辛くてもいいかな)からしを忘れました。そのせいかな。
店のテーブルで一人勇んで食べようとしたら、通りがかりのお客さんに
”なんぼ、めそんだば”(なんて、おいしそうなの)
て、言われてしまって、結局3人分作って、おすそ分け。
お客さんと、納豆筋子の話で盛り上がってしまったら、ついつい次の仕事の時間が押してきてしまいました。
あ、間に合わない。約束が。えーい、走れ、走れ。
まだ、地平線に日が沈むまでは間がある。走れ、おやじ。なんて。
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